基本的には公知発明と同じ様な構成なのに,材料の割合や,温度等の条件に,数値範囲を限定したことによって,特許を受けている発明が存在します。特に,化学や機械の分野では,このような特許がたくさん見受けられます。
しかし,単に数値を示せば特許を受けられるというものではありません。数値を限定する意義はその範囲内で所期の目的を達成する場合にあります。数値限定をすることが特許性を生む場合とは,その限定値を見出すことが困難な場合です。
単にあまり意味のない範囲の限定や何人でも容易に見出せる範囲を限定したとしても,そのことによって特許を受けることはできません。