一般に発明は,過去の技術の積み重ねでできたものです。
出来上がったものを見て,こんなものは簡単に発明できたと考えることは,必ずしも正しいことではありません。
部分部分はすべて過去の技術であっても,それらを組み合わせる発想は,誰でも簡単に思いつくことができるとは限らないからです。特に,従来の技術にはない目的や効果を有するものは,特許となる可能性が高いと言えます。
しかし,単に過去の技術を寄せ集めたものが,新しいというだけでは,特許が取れるとは限りません。
例えば,過去の技術を寄せ集めて構成することが当業者にとって困難ではなく,かつ,寄せ集めてできたものが,各技術を足し合わせただけの効果しか出ないようなものは進歩性がなく,特許となりません。
しかし,過去の技術のそれぞれを寄せ集めることに必然性がない場合や,過去の技術から一見,当業者が容易に思いつくことができるような場合であっても,極めて高い効果や過去の技術とは異なる有利な効果(従来無かった新たなメリット)がある場合は,進歩性が認められやすくなります。