特許が受けられるのは,「産業上利用することができる発明」に限定されています(特許法29条)。一般的には,「産業」とは製造業等の何らかの生産をともなう業種のことであり,医療業は産業ではないと考えられています。
したがって,病院等で行われる病気の治療方法や手術方法は,産業上の利用可能性がなく,特許をとることはできないというのが現状です。
ただし,人間から採取した血液,尿,毛髪等は人体を離れていますから,これらを処理する方法や,これらを分析してデータを収集する方法については,特許をとることは可能です。
また,人間ではなく,もっぱら動物を対象とする場合は,特許をとることが可能です。医薬や医療機器は医療行為に使用されるものですが,それ自体は商品として流通するものであって,医療行為ではありませんから,産業上利用できるものと考えられており,特許をとることが可能です。