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西形准教授らの研究グループは、天然では得られないアミノ酸を作る基本技術を開発しました 2017.10.20

 大きな構造を持つアミノ酸は、画像診断薬や特定の細胞と強く相互作用するため、医薬分野で注目されています。しかし従来は、炭素原子に複雑な化合物を置換するとその周囲が立体的に混みあうため大きな反応部位にアミノ基を導入すること(アミノ化)が極端に難しく、利用できるアミノ酸の種類は限られていました(図1)。
            

山口大学 大学院創成科学研究科 応用化学分野の西形孝司 准教授(テニュアトラック)と東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門の砂田祐輔 准教授らのグループは、銅触媒によってα−ブロモアミド化合物とアミンとのアミノ化反応に成功しました(図2)。この原理を利用すると、立体的に非常に大きな反応部位にアミノ基を導入でき、さまざまな非天然型アミノ酸誘導体を作ることができます。天然のアミノ酸はその種類や構造に制限がある一方で、非天然型アミノ酸の種類や構造には制限はなく、期待される機能も無限に付与することが理論上は可能です。医薬分野を始め、広い分野での応用が期待されます。
 この研究成果は『Angewandte Chemie, International Edition』(IF=11.994)に掲載されました(doi:10.1002/anie.201706293)。

      



 



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