新着情報

西形先生がアミド基の酸素と窒素の反応性制御に成功 -ラクタムとイミノラクトンの自在な作り分けが実現! 2016.11.24

  アミド基は医農薬品を構成する複素環分子を合成するための重要な官能基です。実際に、アミドの反応性を利用した論文はこれまでに数多くの報告例があります。しかしながら、アミド官能基内に有する窒素と酸素の反応部位を、反応条件の違いにより自在に制御できた例はこれまでにありませんでした。この反応性を制御できると、同一の出発原料からラクタム及びイミノラクトンを合成することができるようになるため、長年、アミドの反応性制御法開発が求められていました。

 今回、創成科学研究科応用化学分野の西形孝司准教授(テニュアトラック)らは、α-ブロモアミド化合物を銅触媒存在下でアクリル酸誘導体と反応させると、強塩基下では窒素の反応性のみが発現し、対応するイミノラクトンが生成することを発見しました。一方、弱塩基条件で反応を行うと、今度はアミドの酸素のみが反応し、対応するイミノラクトンへと変換されることがわかりました。


 この成果は、『ACS Catalysis(IF=9.3)に掲載されました。
 
 アミド官能基の反応性を化学的に精密制御するための方法論として今後の複素環化学への応用が期待されます。

            

Different behaviors of a Cu catalyst in amine solvents: Controlling N and O reactivities of amide Yu Yamane, Koichiro Miyazaki, Takashi Nishikata*, ACS Catalysis, 2016, 6, 7418−7425, DOI:10.1021/acscatal.6b02309



      



 



                                              ページのトップへ