福士准教授が国際シンポジウムで優秀論文賞を受賞 2015.10.19
大学院理工学研究科情報・デザイン工学系学域情報システム工学分野准教授(テニュアトラック)福士将先生が、第14回コミュニケーションと情報技術に関する国際シンポジウム(The 14th International Symposium on Communications
and Information Technologies)で優秀論文賞(Outstanding Paper Award)を受賞しました。
本シンポジウムは2014
年9 月24 〜 26
日に韓国の仁川で開催され、約150
件の発表論文の中から3
件が優秀論文賞を受賞しました。今回の受賞は、「A Peer-to-Peer
Communication Function among Web Browsers for Web-based Volunteer
Computing」の業績が認められたものです。
本論文は、誰でも気軽に参加可能なボランティアコンピューティング(VC)を目指して、WEB ブラウザを用いた相互通信環境を実装し、評価したものです。WEB ページの閲覧には、パソコンが本来持っている計算能力の10
パーセント程度しか使われておらず、残りは使われないまま無駄に眠っています。VC
では、それらの膨大な遊休計算資源を活用するため、いわゆるスパコンなどの並列コンピュータを利用するよりも、はるかに安価に計算を行えるという利点があります。しかし、VC
に参加するには、特別なソフトウェアをインストールし、ユーザ登録や設定などの作業を行う必要があるため、不慣れなユーザにとってはそれらの作業が参加の障壁になっています。VC
は参加するユーザが多いほど計算性能が向上するため、高性能化を実現するには避けられない問題となっています。
本論文では、一般ユーザが慣れ親しんでいるWEB
ブラウザを用いて相互通信を行う環境を実装したものであり、これは、誰もが気軽に参加できるVC を実現するための基盤になるものです。ユーザは、WEB ブラウザを立ち上げておくだけでVCに参加できるようになるため、ユーザ数の増加によるVC の高性能化が期待できます。
今や計算シミュレーションは、科学技術の発展や製品開発には欠かせないものになっており、必要とされる計算性能も年々増加し続けています。VC をより一層普及させ、様々な分野の研究開発者に利用してもらうためにも、さらなる研究の進展が期待されています。
左から高田シニアフェロー(福井大学医学部病因病態
医学講座、医動物学)、高野准教授(テニュアトラック)、
藤田客員教授(藤田保健衛生大学 医動物学・微生物学、
馬原アカリ医学研究所 所長)
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