平成27年9月11日(金曜日)、山口大学総合図書館内の「りぶカフェスペース」にて、平成27年度第1回研究サロンが開催され、コンソーシアム事業で本年度に採用された共同獣医学部渋谷助教と大学院医学系研究科(理学)原助教が話題提供いたしました。
山口大学では、平成23年度から研究に関するアイデア等を発想するキッカケを見つけることを意識する期間として科学研究週間を開設しています。昨年度から研究サロンという場が設けられています。研究サロンでは、様々な分野の研究者が集まり交流することにより、部局・分野を超えた研究の融合の可能性を探索する「場」となることが期待されています。
この日の参加者は学生・教員を含め約20名でした。渋谷助教は「細胞が持つ自己分解システムの生理学的役割」と題して、「オートファジー」という現象について説明されました。この現象は以前から分かってはいたのですが1993年に日本でこの現象に関連した遺伝子が報告され、一気に研究が進んだそうです。不良なミトコンドリアがオートファジーで分解される過程が動画により分かり易く詳細に説明されました。講演後も、オートファジーの機構に関する質問や、この現象の解明による病気の治癒や老化防止への期待など、議論が続きました。
続いて原助教が「細胞のデザインを考える」と題して、細胞の核の大きさがどのように決まるのか、どこまでが分かっておりどこが分かっていないかも含めて、具体的な実験方法にも触れて説明されました。核のみを取り出して細い管の中に置いた実験では管の大きさにより核の成長速度や最終大きさが変わることも示されました。質問も生物学や物理学という異なる観点から多種多様のものが出ました。今回は特に2名の話題提供者の専門が近く、また同じ時期にコンソーシアム事業で採用されたテニュアトラック教員であることから、メンター教員等も交えて質問が続きました。