原助教が平成29年度文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞

4月11日(火曜日)、文部科学省より平成29年度文部科学大臣表彰の受賞者が発表され、本学より、創成科学研究科(理学系)原裕貴助教が若手科学者賞を受賞しました。 同賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者に授与されます。

今回原助教が受賞した研究テーマは、「細胞内構造体のサイズの制御機構の研究」です。原助教は、この研究分野に関して世界のトップランナーの一人として活躍中であり、その活躍が認められ今回の受賞に至りました。

【研究内容概要】

私たち多細胞生物のからだは、受精後のたった一つの細胞から、細胞分裂を通して生み出された様々な種類の細胞で構成されています。それぞれの細胞は細胞分裂を行ったり、必要なタンパク質を合成したりと共通の機能・性質をもつ反面、その働きや細胞を作る仕組みは細胞の種類により大きく異なります。原助教は、この細胞ごとに違いを生み出す原動力として、細胞の「外見」の特徴である大きさ(サイズ)に着目しました。

受精卵が細胞分裂し発生していく過程で、細胞の「外見」の特徴であるサイズは大きく変化しますが、実は細胞の「中身」である細胞内の構造物(細胞内小器官)のサイズやその機能も同時に変化します。このように、細胞はあたかも自身のサイズを認知し、それに合わせて細胞内の構造物のサイズや機能を調節しているように見えます。このような細胞の「外見」のサイズと、細胞の「中身」の細胞内構造物のサイズとの関係性は、顕微鏡で細胞を観察し始めた100年もの昔から、生物学研究者によって知られる細胞の特徴の一つでした。この特徴は、ヒトだけではなく様々な種類の生物で見られるものであり、細胞を構成する上での重要な仕組みであると考えられています。しかし、この細胞の「外見」と「中身」のサイズのバランスを調節する仕組みについては全くの謎でした。原助教は、実際に細胞内のいくつかの構造物が細胞とバランスを取り、巧みにそのサイズを調節する特徴を解明し、その仕組みに対する理論を提唱しました。

癌や老化など、細胞の調子が悪くなると、この細胞と細胞内の構造物のサイズのバランスが崩れることが知られています。原助教の研究成果を基に、この細胞のサイズのバランスを調節する仕組みの解明が進展することになれば、将来的にはサイズのバランスを崩した細胞を治療することも可能になる日が来るかもしれません。

詳細は以下PDFファイルをご覧ください。
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関連サイト
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