令和2年8月6日(木)吉田キャンパスにて、学長・理事とテニュアトラック教員との懇談会が開催され、岡正朗学長をはじめ学長・理事5名とテニュアトラック教員8名が参加しました。この懇談会は、本学に最初のテニュアトラック教員が着任して間もない平成24年度からほぼ毎年開催しているもので、今回は8回目となります。
はじめに前回の懇談会(令和元年12月)から今までに新たに山口大学に着任された3名のテニュアトラック教員から、スライドを使ってご自身と研究の紹介がありました。
今年3月に着任された創成科学研究科(工)の相田紗織助教からは、人間の視覚特性に関する研究と、人工知能((AI)を使ったがん細胞の評価に関する研究の紹介がありました。これに対して、研究を始めた動機や、がん細胞の同定方法に関する質問がありました。
同じく今年3月に着任された創成科学研究科(農)の妻鹿(めが)良亮助教からは、植物に刺激(ストレス)を与えたときの代謝物の変化やそれをもたらす遺伝子を解明することで、ストレス耐性のある植物の育種を目指していることが紹介されました。これに対して、学内にある次世代シーケンサなど研究設備の利用や、ストレスという用語の研究分野による意味の違いなどに関するコメントがありました。
今年4月に着任された共同獣医学部の今井啓之助教からは、哺乳類で2倍体以外の個体がなぜ存在しないのか解明する研究が紹介されました。2倍体とは染色体の数が基本ゲノムセットの2倍である個体であり、植物や魚類等では3倍体や4倍体なども存在します。また、地球の歴史では過去二回のゲノムの倍数化が起こったとされており、多倍体化やそれを妨げる機構の解明は、品種改良や進化の仕組みの解明にも繋がると考えられます。この発表に対しては、多倍体化は良いことか否かの議論がありました。
続く懇談では、新型コロナ対策に関して、研究の過程で密が避けられないこと、出張(国内、海外)ができないこと、試験への対応、感染者が出た場合の対応方法などについて議論がありました。研究に関しては、山口県の稀少な動物(シロヘビや見島牛など)の研究や、秋吉台地下の洞窟の環境を利用した研究などのアイデアも出され、盛会のうちに終了しました。
前列向かって左から、吉田真明准教授(創成(工))、石井治之准教授(創成(工))、妻鹿良亮助教(創成(農))、岡正朗学長、今井啓之助教(共同獣医学部)、相田紗織助教(創成(工))、小山虎講師(時間学研究所) 後列向かって左から、寺尾将彦助教(時間学研究所)、上西研理事・副学長、田中和広理事・副学長、古賀和利理事・副学長、松野浩嗣理事・副学長、金貞希助教(創成(農))