山口大学 大学研究推進機構知的財産センターは,平成26年12月10日(水)に、昨今特に注目されている「知財戦略」に連携した「標準化戦略」の理解を深めることを目的として、第7回知的財産教育セミナーを実施した。参加者は教職員15名・学生約40名であった。
当セミナーには、経済産業省産業技術環境局基準認証政策課の小嶋誠氏を講師に迎え,「事業戦略と標準化~標準化政策の新しい潮流~」と題した御講演をいただいた。
小嶋氏からは,私たちの身の回りの製品事例を教材に,標準化および知的財産保護の観点から,そして多様性およびグローバル化にも焦点を当てた説明があり、特に,ビジネスと深い関わりがある知的財産と標準化の連携について,個別業界・企業だけでなく官民一体で積極的に標準化認証への取り組みがされていることについて詳細な解説をいただいた。
具体事例としてデジタルカメラなどを取り上げ,メーカーや機種を問わずに利用できるのは標準化の成果であること,標準化戦略の遂行とそれに合わせた技術開発戦略という主体的な企業の関わりが課題として挙げられた。また,体制作りやインフラを含めた認証基盤の強化及びアジア諸国との連携の強化等の今後の取り組みについても解説が行われた。
学生の授業後レポートには,「これまで標準化を意識したことはなかったが,国際的な標準は国にとって大きな利益になると感じた」,「身近なところで標準が生かされていることを実感した」,「身の回りで何気なく利用しているものに標準化と知財とが関わっていることを認識することができた」などの記述が多くありセミナーを機に標準化の理解が深まったことが確認された。