センター紹介
センター長挨拶
この度、総合科学実験センター長を拝命いたしました朝霧成挙と申します。
総合科学実験センターは、山口大学ならびに地域全体における知の創造と発展を力強く支える研究プラットフォームとして、学内外の研究者に安全で高度な研究環境を提供し、利用者の皆様の挑戦を鼓舞することを使命としています。
上記の使命達成のため、本センターは、吉田、小串、常盤の3地区に拠点を構え、それぞれの特性に応じた専門施設を展開しています。吉田地区には、機器分析実験施設、システム生物学・RI分析施設、バイオメディカルモデル動物研究施設、小串地区には、生命科学実験施設、遺伝子実験施設、生体分析実験施設、RI実験施設、また常盤地区には学際的な研究交流と最先端技術の導入を目的とした分室を設置しています。これらの施設は、山口大学の全地区をカバーする組織として、研究・教育力の飛躍を後押ししております。さらに近年では、大学の枠を超えた、県内外からの共同利用も積極的に推進しており、地域全体の研究基盤としての役割を担うことで、地域社会への貢献にも責任を果たすことを目指しています。
このような共有プラットフォーム機能を強化するために、私たちは科学技術の進展に対応し、柔軟かつ効率的な支援体制を構築することを重視しています。全ての利用者の皆様に信頼性の高い技術、設備、サービスを公平に提供するとともに、特に重点研究分野に対しては積極的な支援を通じて、ブレークスルー創出の伴走をしたいと考えています。
また今後は、山口大学における研究支援の中核機構の一つであるリサーチファシリティマネジメントセンターとの連携をさらに深め、全学的な研究インフラの最適化と利用者サービスの向上に取り組む予定です。これにより本学の教育・研究活動への貢献を一層充実させる所存です。
総合科学実験センターは、皆様の熱意と創造性を最大限に活かすための舞台です。皆様のご期待やご要望に応えられるよう、職員一同、情熱をもって邁進していきたいと考えておりますので、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
令和7年4月 山口大学 総合科学実験センター長 朝霧成挙
各施設の紹介
【分析実験分野】
- 機器分析実験施設(吉田地区):各種高性能大型機器を共同利用に供して研究上の利便を図るとともに、研究者間の学術交流や学内・学外共同研究の積極的な推進のための核として貢献しています。X線回折装置、核磁気共鳴測定装置、電子線マイクロアナライザ、蛍光X線分析装置、電子顕微鏡、レーザ顕微鏡などが設置されており、学内・学外に広く利用されています。
- 生体分析実験施設(小串地区):細胞・組織の形態・機能解析のためのイメージング機器および分析・測定機器を提供しています。イメージング分野では技術相談や講習、共同研究を通じて研究者の目的に沿った技術を提案・提供し、試料作製から画像解析までを支援しています。
【生命科学分野】
- 生命科学実験施設(小串地区):本施設は、実験動物維持施設を兼ねることから次の3つの業務を行っています。
第一に支援業務として、小串キャンパスで使用される実験用動物を良好な飼育環境で集中的に飼育・維持・管理することにより、動物愛護の精神に基づいて倫理的にも適切な、再現性のある動物実験が行われるよう、施設利用者に対して研究・実験補助や技術的指導を行っています。
第二に教育では、実験動物学に関する講義や実習を、大学院生や学部学生、並びに非常勤講師として他大学学部学生へ実施しています。
第三に研究として、遺伝子改変動物の作出とそれに伴う発生工学的手法の開発・研究を行っています。 - バイオメディカルモデル動物研究施設[旧 先端実験動物学研究施設](吉田地区):獣医学国際教育研究センター(iCOVER)内に位置し、獣医学及び関連領域の教育・研究に資するために設置された施設です。各種法令・指針に沿った実験動物の飼養保管に努めるとともに、高度な動物実験を支援する機器設備を有する先端的な共同利用実験動物施設である本施設では、主として小型実験動物を飼養保管し、SPF 環境および感染実験施設を提供します。なお、令和7年度より、「先端実験動物学研究施設」から「バイオメディカルモデル動物研究施設」に改称しました。
【アイソトープ分野】
- システム生物学・RI分析施設(吉田地区):LC-MS/MS、HPLC、GC-MS/MSなどの先端分析機器を備え、メタボローム解析をはじめとしたシステム生物学の教育・研究を支援する全学共同利用施設です。また、文部科学省の認可を受けた放射性同位元素使用施設であり、放射性物質(RI)の取扱いに必要な設備や機器を備えています。
- RI実験施設(小串地区):非密封放射性同位元素を用いた実験を行うための共同利用教育研究施設です。放射線管理区域では、様々な放射性核種(H-3, C-14, P-32, Cr-51, I-125 等)および放射線測定器を使用することができます。施設利用前に放射線安全取扱教育訓練を受講する必要があります。
【資源開発分野】
- 遺伝子実験施設(小串地区):遺伝子実験および遺伝子情報解析のための教育・研究の場を提供し、本学並びに周辺地域の教育・研究活動の活性化に寄与することを目的として設置されました。遺伝子工学は医・農・理・工学の各分野で幅広く応用的研究が展開されており、山口大学の遺伝子工学研究の中核として機能しています。
【常盤分室】
- 常盤分室(常盤地区):山口大学常盤地区における研究機器の共用を図り、教育・研究を支援することを目的として、平成31年4月に設置されました。常盤分室では、利用者自身による機器操作に加えて、アドバイザーによる機器操作支援や測定の代行、学生等を対象にした教育・トレーニング等も実施しています。
総合科学実験センター沿革
- 昭和46年9月28日 RI分析施設 設置
- 昭和55年3月25日 実験動物施設 設置
- 昭和56年4月1日 生命科学実験施設 設置
- 昭和58年3月18日 排水処理施設 設置
- 平成4年4月10日 機器分析センター(現 機器分析実験施設) 設置
- 平成6年6月24日 遺伝子実験施設 設置
- 平成15年4月1日 生体分析実験施設及びRI実験施設 設置
- 平成15年4月1日 各施設が統合され、総合科学実験センターが設立
- 平成24年4月1日 総合科学実験センター、産学公連携支援センターおよび知的財産センターを統合し、大学研究推進機構として発足
- 平成31年3月 排水処理施設 廃止
- 令和2年4月 常盤分室 設置
- 令和4年3月 実験動物施設 廃止
- 令和7年4月 先端実験動物学研究施設が「バイオメディカルモデル動物研究施設」に改称
組織体制
総合科学実験センター組織体制
令和7年6月1日現在