山口大学 大学研究推進機構 総合科学実験センター

新規カルモジュリン関連タンパク質DAPK3による肺がん進展制御機構

平成30年10月25日掲載

東京農工大学農学部共同獣医学科 特任講師 臼井達哉

【利用施設】実験動物施設

 肺がんは世界的に最も致死率が高いがんであり、小細胞がんと非小細胞肺がんに分類されるが、非小細胞肺がんは肺がん全体の85-90%を占めることが知られている。
 新規カルモジュリン関連タンパク質の一つであるDAPK3はセリン・スレオニンキナーゼの1つであり、細胞死を制御することが報告されている。近年DAPK3が子宮がんや大腸がんなど様々ながんの進展に関わることが明らかになった。しかし、非小細胞肺がんにおけるDAPK3の役割については分かっていなかった。
 そこで、本研究では非小細胞肺がんにおけるDAPK3の役割を明らかにすることで、肺がんの新規分子標的薬開発につなげることを目的に実験を行った。
 具体的には実験動物施設において2015年11月より免疫不全マウスの皮下にDAPK3遺伝子をノックダウンした肺がん細胞株A549を移植し、腫瘍形成能に与える影響を検討した。
 またin vitroの実験により、DAPK3が肺がん細胞の増殖、遊走に与える影響およびその制御メカニズムを検討した。
 これらの検討によりDAPK3がERK/c-Mycシグナルの制御を介して非小細胞肺がんの進展に関わっていることが明らかになった。
 これらの成果については,2017年にOncology report誌に掲載された。
 Kake S, Usui T, Ohama T, Yamawaki H, Sato K. Oncology report. 37:1100-1106, 2017. 査読あり



DAPK3ノックダウン(shDAPK3)は肺がんの腫瘍サイズを減少した。