超免疫不全マウスを用いた悪性腫瘍に対する免疫療法の開発
平成29年6月27日掲載
大学院医学系研究科 医学博士課程3年 德永良洋
【利用施設】生命科学実験施設・RI実験施設
現在私達は、ある特定の分子をヒトリンパ球に遺伝子導入することでリンパ球の機能を高め、既存の悪性腫瘍治療薬と併用した際にその治療効果を向上させる新規抗腫瘍免疫療法の開発を行っている。当該分子を遺伝子導入したヒトリンパ球は、51Cr放出試験において悪性腫瘍治療薬存在下での腫瘍細胞に対する傷害活性が増強しており、in vitroにおける当該分子の有用性を確認できた(下図)。また、in vivoにおける当該分子の有用性を確認するため、超免疫不全マウスであるNSG(NOD.Cg-PrkdcscidIl2rgtm1Wjl/SzJ)マウスにヒト由来の悪性腫瘍細胞株を生着させたxenograftモデルを作成し、当該分子を遺伝子導入したヒトリンパ球と悪性腫瘍治療薬の併用による治療効果の検討を行っている。
生命科学実験施設における適切な感染症対策や行き届いた日常管理により、繊細なin vivoモデルの研究を不要なストレスを感じることなく円滑に進行させることが出来ている。またRI実験施設においても、適切な管理の下、安全かつ円滑に実験に取り組めている。