「第129回コンソーシアム人材セミナーin山口」と「キャリアデザインⅡ(2021年度第8講)」の共催セミナーをオンライン開催

 6月3日(木)オンラインにて、「第129回コンソーシアム人材セミナーin山口」 と「キャリアデザインⅡ(2021年度第8講)」の共催セミナーを開催し、他大学や山口大学OBからの聴講者も含めて、22ヶ所(講師除く接続数)からの参加がありました。

 冒頭の望月信介教授(キャリアパスデザイン推進室長)の挨拶と、HIRAKU事業担当者による同事業の紹介に続き、講師の岡本篤志氏から「企業における博士の価値と役割」と題した講演をいただきました。岡本氏は本学の工学部応用化学工学科を卒業され、直ちに大学院博士前期課程に進学され、修了後は日立金属株式会社に入社され、研究開発に従事された後、本学大学院博士後期課程に社会人入学され、博士(工学)の学位を取得されました。現在は、同社のグローバル技術革新センターで主任研究員を務めておられます。

 講演では、日立金属株式会社を例に、会社における技術系社員の担当分野の広さや研究開発の進め方(テーマの決め方、研究の方向、研究体制)が紹介されました。その中で、会社での研究と大学の研究との違いや、ご自身が会社で研究を進める過程で、博士前期課程時代のテーマであったリチウムイオン電池の電極研究から電気化学全般に「守備範囲」を広げ、その結果、会社の製品であるマグネシウムに付加価値をもたらすアルミニウム・メッキの研究をきっかけに、今までの圧延による方法と異なる(電気化学法による)アルミニウム箔の生成に成功し、このアルミ箔が高い機械強度をもち、表面の修飾も安定しており、電極の基礎材料として優れていることを見い出された実例を紹介されました。また、会社では「どうすればよいか」「何をさせてくれるか」では無く「何がしたいか」「何ができるか」、が問われる話をされ、最後に、技術者・研究者として必要な3つの基礎力として、「経験に基づく魅力」「多量の情報から本質を見抜く考察力」「長期的な目標をもつこと(5年後の自分を想像する力)」を涵養する必要性を強調されました。

 これに対して、「社会人入学するにあたって、会社はウエルカムであったか?」(回答=ウエルカムである。自分の部署は“全員博士を取りなさい“という勢い。)、「岡本様が博士後期課程で得たものは何だったか?」(回答=当時は苦しかったが、後になって、他人に自分の考えを主張する力がついたと思った。)などの質問があり、議論が盛り上がる中、予定の時間が来て終了しました。


   画面1 講演のスライドと演者(右上)


   画面2 セミナー開催中のPC画面(右列が接続場所の一部)

                                以上


 

   

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