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特別講演会「グループⅡ代謝型グルタミン酸受容体をターゲットとした新規抗精神病薬の創薬」

(2010年6月1日掲載)
日時 2010年 7月 6日 18時00分~
会場 山口大学医学部 総合研究棟1F S1講義室
内容

 最近、統合失調症治療薬は認知機能改善を狙った創薬が行われている。グループⅡ代謝型グルタミン酸受容体作動薬はN-methyl-D-aspartate (NMDA) 受容体拮抗物質による異常行動および認知機能障害を改善させる。ノックアウトマウスの研究から、異常行動改善作用にはmGlu2受容体が重要であることが示唆されている。実際、mGlu2受容体のポテンシエターはフェンサイクリジンおよびアンフェタミンによる異常行動を抑制することからも、mGlu2受容体が抗精神作用発現に関与しているこが示唆される。
 グループⅡ代謝型グルタミン酸受容体作動薬は、NMDA受容体拮抗物質による前頭前野のグルタメートおよびドーパミン遊離を抑制する。また、グループⅡ代謝型グルタミン酸受容体作動薬は5-HT2A受容体作動薬による異常行動を抑制し、大脳皮質錐体細胞の5-HTによるexcitatory postsynaptic current (EPSC)を抑制する。一方、クロザピン、ハロペリドール、M100907(5-HT2A受容体拮抗物質)は大脳皮質前頭前野において、フェンサイクリジン誘発クルタメートの遊離を抑制しない。従って、グループⅡ代謝型グルタミン酸受容体作動薬は既存の抗精神病薬とは異なった作用機序により、薬理作用を発現している可能性が高い。
 臨床的にはPANSSを用いた評価では、グループⅡ代謝型グルタミン酸受容体作動薬はオランザピンと同等の治療効果を示し、オランザピンの副作用である体重増加作用もない。現在の臨床試験(フェーズⅡ)が行われている。
 グループⅡ代謝型グルタミン酸受容体について、最近の研究動向を含め、講演致します。

講師 奥山 茂 山口大学客員教授(大正製薬株式会社 上席理事 医薬研究本部・本部長)
主催 山口大学産学公連携・イノベーション推進機構
申込み・問い合わせ お問い合わせ先:山口大学 産学公連携・イノベーション推進機構
          TEL:0836-85-9961 FAX:0836-85-9962
          E-Mail:yuic@yamaguchi-u.ac.jp
お申込み:上記まで,FAXもしくは電子メールにて以下の事項をお知らせ下さい(様式は任意です)。1回のお申込みで複数の方をご登録の場合お手数ですがお一人ずつ以下の情報をお知らせください。
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資料等 2010060195